2023
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09
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別府:KOMPEITOさんは「OFFICE DE YASAI(オフィスで野菜)」を中心に、オフィスや事務所に健康的な食事を届けるサービスを展開していますが、こうしたサービスを提供するに至った経緯を教えて頂けますか?
渡邉:そうですね、少し長くなりますが、創業の経緯からお話ししましょうか。私は大学を出て、新卒で日本能率協会コンサルティングという日系のコンサルティングファームに入社しました。そこで最初に取り組んだのが、地方の工場の業務改善などに関するオペレーションコンサルティングでした。オペレーションコンサルタントとして3年ほど働いたころ、農業のコンサルサービスを作るチームに入りまして、それが、農業や食のビジネスに関わるきっかけとなりました。
そこから、さまざまな農業関連のプレーヤーと話をしたり、一緒に仕事をしたりする中で、生産者の方が販路に困っているという声を数多く耳にしました。とはいえ、農産物の流通構造の選択肢が多くあるわけではないし、かつ過去からあまり大きく変わってないことがわかってきました。確かに農産物のECサイトができてはいましたが、その段階では流通構造に大きな変化をもたらしているわけではありませんでした。
それなら、自分の力でこの業界を盛り上げられるような取り組みができるのではないかと思って、会社を飛び出して起業をしました。 最初はECのサイトを作ったのですが、それが泣かず飛ばず。知り合いに買ってもらって、2周くらいしたら次はリピートしてもらえないという状態だったので、これはうまくいかないなと。オイシックスにらでぃっしゅぼーや、大地を守る会が買収される前で、業界にプレーヤーが多くいたこともあって、このままではちょっときついかなと判断してやめました。
次にチャレンジしたのが、八百屋です。八百屋は、農作物の流通の大元ですから、八百屋をやってみれば、何か新しい発見があるのではないかと思いました。そこで、麻布十番にある知り合いの酒屋の一角を借りて、八百屋を始めました。
廃棄ロスを避けるために、夕方になると売れ残った野菜を知り合いの会社に売りに行っていました。そうこうするうちに、ある会社の社長に「大根やキャベツを持って電車に乗って帰るのは面倒くさいだろう。シリコンバレーのITベンチャーでは、福利厚生としてサラダバーなどがあるから、その廉価版のサービスをやったら面白いのでは」とアドバイスをもらって、なるほど確かにそうだと納得しました。 そこで、手始めにミニトマトをパック詰めにしてオフィスに持っていったところ、従業員の方々から「健康的でいいよね」、「小腹が空いたときにお菓子を食べるより、こっちの方がヘルシーでいいね」という声を頂けました。
当時は、健康に対する関心が増していましたし、働く人の満足度という意味でも、人口減や高齢化を考えたときに、これからはニーズがもっと高まるだろうと思って、これがOFFICE DE YASAIの原型となりました。
別府:そこからサービスを拡大していくにあたって、いろいろとご苦労があったのではないでしょうか?
渡邉:それが、サービスを始めた当初は比較的順調でした。知り合いの会社に声をかけたり、飛び込み営業をしたりで、50社くらいにサービスを導入していただくことができました。冷蔵庫を置いて、ミニトマトを週に1回デリバリーしていました。すると、WBS(ワールドビジネスサテライト)に取り上げられて注目を集めることもできました。
そのときに、キユーピー社の経営企画の方が、当時我々が働いていたシェアオフィスに来ることがあり、偶然出会うことができました。「あのサービスなら知っているよ、会いたかった」と話が弾んで、そのうちに「資金需要ない?」、「あります」というところまで急展開しました。 実はそのとき、取引先の冷蔵庫で、野菜が腐るという一大事が起きていたのです。今から振り返れば、当時の私たちは素人で、温度管理などがきちんとできていなかったことが原因でした。これをキユーピー社の方に言うべきか、それとも言わない方がいいのか、さんざん迷ったあげくに決心して伝えたら、「そうだろうと思ったよ」みたいな反応が返ってきたのです。そして、「だったらお金だけじゃなくて、お互いが組む意味があるから」と品質管理の指導までしていただき、コールドチェーンの物流作りに取り組みました。
別府:キユーピー社との出会いがきっかけとなり、商品をどう作るか、どう管理するか、物流をどうすればいかなど、バックヤードが充実し始めたということでしょうか?
渡邉:その通りです。当時は野菜を切って加工するという技術がなかったので、間引きしたキュウリや規格外の小さなニンジン、房から外れたブドウなどを仕入れて販売していましたが、キユーピー社に入っていただいたことで、野菜などを彼らのルートから仕入れたり、キユーピーグループの工場に加工をお願いしたりといった動きが広がりました。
別府: その後、順調に規模を拡大していったのですね。現在の国内拠点数や導入実績数などを教えて頂けますか?
渡邉:現在、国内の製造・物流拠点が6箇所、導入実績は累計で7,000箇所にまで広がってきました。
別府: KOMPEITOさんのビジネスの特長として、お客様企業までのラストワンマイルの部分を、自社の物流網で行っている点が上げられると思います。その部分を自社で行おうと考えたのはどういった発想からなのでしょうか。
渡邉:ラストワンマイルの物流を自社で手がける理由はわりとシンプルで、私は、資産とはお金と不動産とネット回線、あと物流だと思っています。だから、私にとって物流は資産なのです。ただチャネルを作るだけではなく、そこに物流をセットし、積み重なったアセットとしての価値を高めるため、自分達で流通を作っていくという発想で進めました。
別府:国内拠点を作り始めた頃から、そうした考えで進めてきたのでしょうか?
渡邉:おっしゃるとおりです。新聞販売店や牛乳販売店など、各家庭に商品を配達する業者さんをあたって、ラストワンマイルを担って頂けませんかと声をかけました。 こうした最終拠点までの配送は、昔はキユーピー社が惣菜を届ける便に相乗りさせてもらうことから始まり、今は単独で実施できる規模感になりましたので、冷蔵のチャーター便で運んでいます。
別府:日本各地に地方の拠点を作る毎に、自社の物流網を整備したり、地場の食材をその地域で加工したりといったことが増えていきました。そうしたことの積み重ねを通して、地方創生や地産地消といったビジネスモデルが構築されてきたのでしょうか?
渡邉:そうですね。最初から大上段に地産地消を目指すと考えていたわけではありませんでした。拠点もそれほど多く作れたわけではありませんから。ただ、このビジネスを始めた原点は、農業のコンサルに関わりながら、生産者の方が販路に困っているという声を数多く耳にしたことにあり、各地の農家が生産したものを各地で食べられるようにという思いはありました。そうすれば、新しい販路が開けるからです。
私たちのビジネスは既存のチャネルを侵食しているわけではなくて、全く新しいチャネルを生み出して、野菜を食べる、果物を食べるという需要を創出しています。つまり、オフィスという働くための場所に、サラダやフルーツ、惣菜を食べられる環境という価値を創り出しているわけです。例えば九州なら、福岡の周辺で採れた野菜をサラダにして、それを福岡周辺のオフィスワーカーが消費するわけです。今までに食べていなかった人が食べる、今までに食べていなかった場所で食べる、そういった新しいムーブメントを創り出しているわけで、これをもっともっと大きくできたらいいと思っています。
地域の食材を仕入れて、地域のお客様に提供する地産地消の取り組みは、地方銀行さんからも新たな可能性や面白みを評価していただき、いろいろと協力していただいています。
別府:今お話に出た地方銀行さんとの接点は、どのようにして生まれたのですか。
渡邉:私たちが顧客を獲得する方法としては、デジタルマーケティングが基本で、ウェブ広告を露出して、問い合わせを頂いて企業にご契約いただくとか、展示会に来場してもらいご契約いただくという流れがメインです。
それ以外の顧客獲得の方法もあった方がいいと考え、最初は、オフィス家具の代理店企業をあたって、私たちのサービスを販売してくれませんかという相談をして回りました。20〜30社ぐらいの協力を得ることができたのですが、残念ながらあまり結果には結びつきませんでした。ところが、その中で1社だけ、毎月2〜3社のお客様を紹介してくれたのです。なぜこの会社はお客様を見つけてくることができるのだろうと疑問に思いました。 これはもう、直接伺った方がいいと思い、お話を聞いてみると、この会社が地方銀行のグループ会社で、その銀行の営業の方からの情報が紹介に結びついていることがわかりました。考えてみれば、地方銀行がその地域の企業と繋がっていることは当然なわけで、それから地方銀行さんとのお付き合いが広がっていきました。
別府:そういうきっかけがあったのですね。今はどのくらいの銀行さんとお付き合いがあるのでしょうか?
渡邉:現在約40行の銀行と代理店契約を結んでいます。銀行と組むメリットは、顧客開拓だけではなく、加工業者なども紹介して頂けることです。Webサイトを開設していないレガシーな加工業者や生産者を紹介して頂けるのも、メリットが大きいと思います。
別府:OFFICE DE YASAIのメニューも、その土地ならではのもので、沖縄で流通している商品と、北海道で流通している商品とでは違いますね?将来的には、他のエリアでも提供するようになるのでしょうか。
渡邉:一部ですが、もう始まっています。現状でもヨーグルトなどは、岩手県産のものが沖縄県で流通していますし、逆にゼリーなどは、沖縄県産のマンゴーやパイナップル、アセロラを使ったゼリーを全国で展開しています。
別府:もう始まっているのですね。そのためには、商品の消費期限を延ばす必要があり、それがまた、フードロスを防止することにも繋がるかと思います。そうした取り組みや、今後取り組んでいきたいことについて聞かせて頂けますか?
渡邉:もともと、規格外で農協に卸せないような野菜とか、房から外れたブドウなどを商品にしていました。つまり、お金にならなかったものをお金にして、生産者の方々を応援する取り組みから始まっていました。
こうした関係でJAさんなど各社からご相談がくることもあり、商品化に結びついた例としては、JAあいち経済連さんと共同開発したアスパラガスのポタージュスープがあります。これは、愛知県産アスパラガスの長さを揃えるためにカットした軸の下部を活用したものです。カットしたアスパラガスの軸は、筋張っているため、使い道がなく廃棄されていました。まさにもったいない状態だったのですが、これをペースト状に加工して、素材の持ち味を活かしたポタージュスープとして商品化しました。管理栄養士も在籍している当社の商品企画チームが試作を重ねてアスパラガスの風味が楽しめる商品となりました。
また、ブロッコリーの茎の部分も廃棄されてしまう端材でしたが、この部分を活用してブロッコリーアイスを開発しました。今後は、キャベツの一番外側の葉を加工して活用するなどの取り組みを増やしていきたいと考えています。
野菜や果物を生産すれば、残ることもありますし、廃棄する部分も出てきます。そういったものを食品としてうまく流通させたいですね。
別府:消費期限を延ばすために、どんな工夫をしているのでしょうか。
渡邉:カットフルーツの場合は、水分をうまく吸収しつつ、脱酸して1週間鮮度を保てるようにしています。野菜の場合は、浅漬けのピクルスにしたりキムチにしたり、加工して日持ちをよくしています。 日持ちがよくなると物流面や在庫、フードロスが減らせるメリットもあります。
別府:KOMPEITOさんといえば、出資前のマネジメントインタビューの話が、印象に残っています。渡邉社長はじめ、取締役や執行役員の方々が全員で来て下さいましたから。
渡邉:全員でインタビューに参加することは、珍しいことだったのですね。別府さんから「皆さんで」と言われたからだったのですが(笑)。
別府:「全員で伺っていいですか」とおっしゃっていたので、「はい、お願いします」と。それよりも、渡邉社長がかぶっておられた野菜のかぶり物のインパクトはとても大きくて、さらには皆さんのチームメンバーとしての結束も印象に残っています。
渡邉:その姿を受け入れて頂いたのも嬉しかったです。そして、全員で行ってよかったと思っています。それは、社長がまともに仕事している姿を、他のメンバーに見てもらうことができたからです。社長のメインの仕事は、資金調達と採用です。だから、普段はそういった仕事をしているところを役員に見てもらう機会はありません。資金調達の現場での真剣な姿を前に、何かを感じてもらえたのではないかと思っています。
別府:我々の出資に伴うメリットはあったのでしょうか。
渡邉:それは、もちろんです。出資していただいたことの直接のメリットはありますが、それ以外のメリットもとても大きいと感じています。 例えば提携先を紹介していただくとか、潜在顧客を紹介していただいて営業に結びつけることができるなど、我々が成長するために、お金だけではなく実業の部分でもサポートしていただいています。かつ定期的なミーティングを通じてアドバイスもいただいているので、とてもありがたく思っています。
別府:我々としても、もう少し出資を増やしてもいいのではないかという話がありました。でもお話を伺うと、他の方々も出資するという話になっていて、最終的にはインキュベイトファンド株式会社とニッセイ・キャピタル株式会社、JIC VGIで均等にということになりました。 いい分配だなと思ったことと、難しい判断を素早くなさったと感じました。
渡邉:実は、 トリガーを決めていたのです。ニッセイ・キャピタル社から追加出資については「動ける」とはお話しいただいていました。とはいえ、シリーズA、Bとリードインベスターとして投資いただいていたので株式比率を考慮して、自分たちでまず他を探す動きを取りました。3社ほどの候補があって、仮に全部落ちたらニッセイ・キャピタル社にお願いしようと考えていました。
そして別府さんとお話する前の週あたりの金曜日の夕方に、3社からお詫びの連絡が届いたのです。
こうしたいきさつから、ニッセイ・キャピタル社に相談に行きました。その数日後に別府さんとお会いし、前向きなお返事を頂けました。するとほぼ同じようなタイミングで、インキュベイトファンド社からも出資頂ける連絡が入りました。
我々としては、一番多く調達したいですし、株式の保有比率も考えたい。その結果3社で均等の出資と決断しました。 その後のフォロワーインベスターを探すのは過去のラウンドと比較してもやりやすかったです。
別府:地銀系VCは何行出資しましたか?
渡邉:鳥取銀行、京都銀行、中国銀行、十六銀行、 そのときは4行です。その前の資金調達ラウンドで静岡銀行、岩手銀行、広島銀行。合計すると7行ですね。
別府:OFFICE DE YASAIの他にも、自動販売機を手がけたり、OFFICE DE YASAIの海外展開を進めたり、アプリケーションサービスの「うぇるもぐ」など、いろいろと新しい動きを進めています。今後目指すところは何でしょうか?
渡邉:KOMPEITOが進んでいくコアな部分としては、企業における健康面での福利厚生のサービスとして、より拡充し深掘りしていくことが一つです。今あるアセットを使った商品、その流通を使って自動販売機事業にちょっと軸足を広げることも、進めていきたい本流としてあります。
プラスアルファの観点で今の状況を考えたときに、会社は社会課題を解決するためにあると思っていて、地域を活性化したいという思いで始めたのですが、我々のビジネスが全国展開する中で活性化の手触り感が希薄になる側面もあります。そのため特定の地域を定めて、そこで我々の事業のサプライ機能を軸に産業を生み、街づくりをしていきたいという思いがあります。
もう一つは、今は国力が低下してきているので、海外に事業を展開して、KOMPEITOで働く人が海外に飛び出しやすいような環境を整えて、これからもOFFICE DE YASAIのビジネスを続けたいと考えています。
別府:特定の地域の街づくりということですが、その地域でのOFFICE DE YASAIの提供を超えて、農業などの切り口で農業生産者の方々の活性化を図るということでしょうか。
渡邉:それについては、もう少し広い枠組みで考えていまして、例えばその地域に工場などを作って、提携で行うのか自分たちでやるのかは別として、まずは産業を作ることを考えています。そして、その産業を軸足に街づくりの取り組みを行政とも一緒に進めて、人口減少が続いている地域の人口を増やせるようにできたら面白いなと思っています。
別府:新規事業である「うぇるもぐ」についてご説明いただいてもいいでしょうか?
渡邉:これも企業向けの福利厚生サービスの一つですが、社員がコンビニエンスストアで購入、または外食で食べたものの写真を撮ると、画像認識でその食品を特定し、健康への寄与度合いを採点して点数に応じた金額を会社が補助する仕組みです。
OFFICE DE YASAIは、食品が会社に設置した冷蔵庫にあるため、出社しないと利用することができません。時節柄、リモートワーカーは増えていますし、直行直帰の営業マンが多い会社などではOFFICE DE YASAIのサービスはなかなか導入できませんでした。そういった課題を解決できないかと考えた時に、食べたものを写真に撮って、健康的なものであればその分を会社が福利厚生として費用的なサポートをすればいいというアイデアに結びつきました。
別府:確かにリモートワークが増えていますから、自宅勤務の場合の食事にも福利厚生が届くのはありがたいですね。 この「うぇるもぐ」は、OFFICE DE YASAIを利用している既存のお客様に対しての追加サービスという位置づけでしょうか。
渡邉:既存のお客様の追加サービスとしても提供していますが、これから新規での導入も進めていきます。
別府:もう一つの新規事業として、サラダの自動販売機の展開が始まっています。
渡邉:SALAD STANDですね。これは、完全キャッシュレスのサラダ自動販売機で、現在は京王井の頭線渋谷駅に設置しています。特許取得済みの「ダイナミックプライシング機能」を備えていることが特長で、時間帯や在庫、消費期限に応じて、価格を変える仕組みです。
ダイナミックプライシング自体も、フードロスへの提言という観点からメディアの注目が集まっていて、週に1回くらいはニュースで取り上げられています。
このビジネスモデルは、世の中を変えられるのではないかと手応えを感じています。例えば各地方のスーパーマーケットとも、手を組むことができます。閉店している時間帯も、店舗前の自動販売機で惣菜を販売できるとか、あるいは地方のスーパーが自動販売機だけの支店を出店できるとか。そういう取り組みもしていきたいと考えています。朝採れ野菜をそういったルートで販売することもできるし、時間の経過とともに、どんどん値段を変えていけばいいのですから。
別府:OFFICE DE YASAIをはじめ、ビジネスの表面的な形はシンプルですが、背後では高度なITが働いていますね。
渡邉:はい。OFFICE DE YASAIも、裏側のその管理しているシステムは、一気通貫でオリジナルのシステムを自社開発しています。オペレーショナル・エクセレンスを徹底しないと、利益を出しづらいビジネスでもありますから。
別府:自社開発といえば、OFFICE DE YASAI の支払いに利用できるYASAI PAYというアプリケーションも全部自社で作られていますね。将来的には支払いをYASAI PAYだけにして、現金での支払いをなくして、その結果、現金の回収もなくしていくのでしょうか。
渡邉:そのサービスは既にできていて、YASAIレジというネーミングが決まっています。
別府:お話の中で「会社は社会課題を解決するためにある」とおっしゃっていましたが、必ずしもすべての経営者の方がそう考えているわけではないと思います。渡邉さんがそういった考えを持つに至ったのは、コンサルティングファームにいらっしゃったことが関係するのでしょうか。
渡邉:特別のきっかけがあったとは思いませんが、漠然とそんなふうに考えてはいました。この会社をKOMPEITOという社名にしたのは、会社を立ち上げるときに、世の中をより良くするような取り組みをしたいと考えたからです。
コンサルのフィーは悪くないので、言い方は悪いのですが小銭を稼ぐビジネスをするならコンサルのままでいい。でも、自分たちで会社をやるからには、世の中の何かが変わるような取り組みをしたいと思っていました。 当時はまだ、「世の中を変える」と言えるほどの自信は持てませんでした。自分たちが新しい取り組みをして、「世の中が変わる」きっかけを作りたいなと思っていました。物事が変わるきっかけには刺激(シゲキ)が必要だと思っていて、だからKOMPEITOのミッションは、「世の中にシゲキを作る」なのです。世の中にシゲキを作るためには、トゲのある人、いろいろな色の人を集めなければならないという思いから、トゲトゲがあってカラフルな金平糖がシンボルとしてふさわしいと思い、社名をKOMPEITOにしました。
会社を設立する時からそうした思いはあって、今も変わっていないのですが、起業から11年目を迎えた今、振り返ってみるとこの11年は生き残るとか、成長するだけで精一杯の時間だったと思います。ここから先は、余裕と言えるほどではありませんが、組織としても大きくなってきてステージがワンランク上がっていくタイミングを迎えました。だからこそ、より社会の課題を解決できるような、より社会的な有用性の高い取り組みができる組織にしていきたいと思っています。
別府:期待しています。今日は有難うございました。
本件に関するお問い合わせ先
JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社
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